インプラント
インプラント
インプラントとは、チタンや合成材料で作った人工歯根(インプラント)を顎の骨に埋め込んで咬み合わせを再現する治療法です。近年は技術や材料の進化で、安定的な治療成績を残すようになり、アレルギーも少なく利用者が増えています。取り外しができる入れ歯や、両隣の歯を削って一塊の歯を入れるブリッジに比べてしっかり噛める、他の歯にかかる負担を軽くできる、隣の歯を削る必要がない、異物感が少ないなどのメリットがあります。一方で、インプラントが骨と結合するのを待たなければならないために治療期間が長くなる、口腔内の衛生状態が不十分だと周囲から歯周病に罹患する、自費診療になるため高額となるといったデメリットがあります。
【基本構造】
インプラントは3つのパーツから成ります。
インプラント治療の適応条件は、インプラント体の埋入予定の位置に十分な骨量があること、糖尿病や高血圧などのリスクファクターとなるような既往がないこと、口腔清掃状態が良好なことなどが挙げられます。骨量の不足や既往歴(糖尿病や脳卒中、ステロイドやBP製剤内服加療歴など)、口腔清掃不良、ブラキシズム、喫煙歴などがリスクファクターとなり、インプラントの生存率に影響を及ぼすことが判明しています。また、インプラント治療は外科手術であるため、治療を受けるには全身の健康状態が良好である必要があり、既往歴(重度心疾患、糖尿病など、服薬治療歴)によっては施術が難しい場合があります。成長期の20歳未満の方には適していません。
現在使用する入れ歯では十分に咬めない、合わないといった不満がある場合や、奥歯を失い咀嚼機能に障害がある場合には、一度ご相談をください。
以前は、トラブルが多い印象がありましたが、技術や材料の進化で、安定的な治療成績を残すようになりました。従来の治療(義歯やブリッジ)よりも機能性および審美性ともに優れています。
歯を失ってしまうと、噛めない、発音がしづらい、審美性に欠けるなどの問題が出てきます。そのため、歯を補う治療法としては、入れ歯(義歯)やブリッジ、インプラントなどがあります。
入れ歯(義歯)・ブリッジとの違いとは、下記の通りです。
・残っている歯(臨在歯)を削らない。
・残存歯に負担がかからない。
・天然歯に近い咬み合わせがあり、安定している。
・しっかりと咬める。
・違和感も少なく発音もしやすい。
・外科手術になる。
・保険外診療のため治療費が高額になる。
・治療期間が長い。
・天然歯に比べて歯周病に弱い。
まずは現在のお悩みやご要望を伺います。
口腔状態を確認し、治療期間、費用等の治療方針を提案させていただきます。
全身状態、口腔内診査(清掃状態、むし歯・歯周病の有無など)、CT検査、模型検査など
諸検査を行い、総合的に診断し、治療計画を立案します。
治療計画をもとに、インフォームドコンセントを行います。
局所麻酔後、粘膜を切開剥離し、予めシミュレーションした位置の顎骨内にインプラント体を埋入します。最後に粘膜を元通りに縫い合わせます。(約1~2週間後に抜糸します)
インプラント体と骨が結合するのにしばらく待機します。(約2カ月~、個人差あり)
インプラント体と骨が結合後、再び粘膜を切開し、インプラント体にヒーリングアバットメントを取り付け、粘膜から露出させます。
粘膜が治癒した後、上部構造作製のため、型を取ります。
上部構造(人工歯)を装着し、調整後に最終上部構造に置き換えていきます。
治療後は、定期的なメンテナンスや日々の口腔ケアが不十分であると、インプラント周囲炎になるリスクが高くなります。一度罹患したインプラント周囲炎は自然に治ることはなく、適切な治療を要しますが、炎症が増悪している場合は、インプラントの除去を行うことがあります。インプラント治療後にこのような問題が起きないよう、正確な診断と定期的なメンテナンスが重要となります。
インプラント1本 | 440,000円(税込) |
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骨造成 | 220,000(税込) |
インプラント治療は、近年の技術や材料の進化により、有意性の高い治療方法として確立されています。必ずしもインプラント治療が第一選択となることはなく、実際の治療内容に関しては、保険診療や自費診療を問わず適応する治療法をそれぞれ選択し、利点欠点を説明した上で提案しています。いずれにしても治療後のケアが非常に重要で、特にインプラントは生体に“人工物”を埋入しているため、感染リスクについては十分な配慮が必要となります。
天然歯同様に定期的なメンテナンスは必要になります。定期的にメンテナンスを受けることで、早期に問題点の抽出と改善策を投じることができ、不可逆性のインプラント周囲炎の罹患を予防することが、長期的にインプラントを維持する上で肝要となります。