歯医者って普段の治療ってどんなことをしているの?
- 2024年3月19日
- 院長ブログ
今回は、日常的なむし歯治療についてのご紹介をしたいと思います。
30代男性、口腔内の定期検診を希望に来院された患者さまです。
正面観の写真になります。
一見すると、特に問題なさそうに見えますが、この正面観からでも様々な情報が得られます。例えば、上の前歯の白斑、犬歯の咬耗、下前歯の表面の着色など…、と様々な情報が得られ、これら細かな情報をリストアップしていき、患者さま独自の治療計画を立てていきます。
この正面観からは、むし歯が見当たりませんが、実は上顎の前歯の裏側を見ると、むし歯が隠れていました。
写真でも歯と歯の間が若干薄暗く見えるかと思いますが、光を透過させると、はっきりとむし歯の部分が黒く透けて見えてきます。他にもX線検査で確認を行います。検査を複数行う理由としては、感度および特異度100%の検査が存在しないため、検査はなるべく複数行い、検査結果に矛盾がないことや複数行うことで検査結果の精度を上げることが肝要だと考えているからです。
余談ですが、コロナウイルス感染の流行期に毎日のように耳にしたPCR検査や抗原検査においても100%の精度は無いのです。
上記写真は、歯の中を開けたものになります。
隣接面から発生したむし歯であり、表面を削ると審美障害が出現するリスクがあるため、歯の裏面からアプローチを行いました。すると、茶褐色のむし歯が見えてきました。エナメル質を超えて象牙質まで到達していました。
上記写真はむし歯を取り除いたものです。
むし歯の取り残しがないか、肉眼だけではなく、むし歯を検知する染色液を使用して、最終確認を行います。
最後は、コンポジットレジンで修復を行い、形態を整え、研磨して終了です。
当院では、すべての症例ではありませんが、なるべく治療前後の写真を記録するようにしており、治療最後に確認をして頂いております。
今回のようにむし歯があっても、しみるや痛みといった症状がないことが多く、定期的な歯科検診を受けることで早期に発見することができ、むし歯が神経まで到達してなかったため、1回の治療で終了することができました。
なお、局所麻酔下に治療を行っていますので、治療中は無痛状態で行えますが、薬剤アレルギーや局所麻酔薬による副作用の出現リスクは、ゼロではありませんので注意が必要となります。
コロナ流行期に歯科受診を1年以上自粛していた方は要注意です。無症状のむし歯が隠れているかもしれないので、これを機に歯科医院受診をしてみては如何でしょうか。