歯ぎしりって怖い
- 2024年5月16日
- 院長ブログ
こんにちは。
5月のコラムは、歯ぎしりをテーマに少々。
4月は新年度の出発地点、様々な環境の変化にストレスが多くなる時期です。5月に入ると新たな環境に適応していくために、少し気を張って頑張っていた体に様々なトラブルが現れることも…。口腔内にもストレスにより様々な症状が出現します。
日常的に診療をしていてよく遭遇するのは、「歯ぎしり」や「食いしばり」による歯の痛みです。
むし歯だと思って受診すると、歯ぎしりが原因だと言われて少しほっとした覚えのある方は少なくないのではないでしょうか。
しかし、歯ぎしりって怖いのです。
歯ぎしりは、無意識のうちにしていることがほとんどであり、誰も自分が歯ぎしりをしていることに気づかないものです。実はこの無意識下の歯ぎしりや食いしばりによって、もの凄い力が歯や歯周組織に及んでいるのです。それは時に外傷性の咬合力となり、歯や歯周組織へ様々なトラブルを引き起こします。歯がすり減ったり(咬耗)、欠けたり、最悪割れたり(歯冠破折、歯根破折)することもあります。その他に歯周病の増悪、アブフラクションや修復物・補綴物の脱離破損等の様々なトラブルの原因となります。
上記写真は、歯冠歯根破折したものです。健康な歯であっても真二つに割れることがあり、ここまで歯が割れてしまうと抜歯になるケースが大半となります。
このように、怖い転帰が隠れている可能性がありますので、日常的な注意事項や、夜間就寝時に装着マウスピース、ボトックス注射などで対処することが効果的になります。
歯ぎしり・食いしばりに心配のある方は一度歯科受診してみては如何でしょうか。