親知らず抜歯ケース③
- 2024年4月15日
- 院長ブログ
今回は横向きに生えている親知らずの症例提示です。
親知らず抜歯症例①
左下の親知らず周りに食べ物がよく詰まるとのことで、抜歯をご希望された方です。
上の画像はCTの矢状断面になります。
親知らずの歯が完全に横向きに生えており、手前の第二大臼歯との間に若干隙間があるのがわかると思います。この隙間に食べ物が入り込むことで不快感を度々繰り返しており、またブラッシング操作も困難とのことで、抜歯をすることとなりました。
術前のCT所見をみると親知らずの歯根と下顎管が接しており、神経症状の出現リスクがありましたが、術後に神経症状は出現することなく経過は特に問題ありませんでした。
今回の症例①ケースで、
メリットな点)
・手前の歯(第二大臼歯の後面)にムシ歯ができる前に抜歯の介入ができた
・親知らず周囲歯肉の慢性的な炎症の改善
デメリットな点)
・神経症状の出現の可能性があった(下唇や顎の皮膚感覚異常)
・外科治療に伴う諸リスク
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親知らず抜歯症例②
こちらの方も左下親知らずの抜歯ケースです。
親知らずが45度くらい近心傾斜しており、歯根の数も2つ。クワガタの角みたいにしっかりしてそうです。
また、親知らず咬頭の一部が手前の歯に接する位置でむし歯を認めました。食べ物が詰まったとしても歯ブラシが物理的に届かず、食渣が長期間停滞し、ムシ歯が発生したものと考えられます。このようなムシ歯であっても症状が出ないことが多いため、真っすぐに生えていない親知らずは注意が必要です。最悪手前の歯も抜歯の適応となるケースもありますので、物詰まりをよく起こす方は早めに抜歯することをオススメします。
親知らずの抜歯は、難なく終わり、日を改めて手前のムシ歯の修復を完了しました。
今回の症例②ケースで、
メリットな点)
・親知らずを抜歯し、手前の歯(第二大臼歯)のムシ歯治療を早期に介入できたことで抜歯が回避できた
・親知らず周囲歯肉の慢性的な炎症の改善
デメリットな点)
・神経症状の出現の可能性があった(下唇や顎の皮膚感覚異常)
・外科治療に伴う諸リスク
※抜歯に伴う動脈性出血や神経損傷などのリスクが高い場合や基礎疾患、歯科恐怖症を有する方は、近隣病院へご紹介となることがあります。